【図解】免疫とは?

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免疫は自分の身を守るしくみ

「免疫ってそもそも何?」「どういう仕組で免疫は働いているの?」

私たちの体を守ってくれる免疫。さまざまな感染症が流行するなか、免疫について興味をもっている方も多いのではないでしょうか。

「一度かかったらもう二度とかからない」といわれる感染症があるのは、免疫がしっかりと働いているためです。今回は、私たちの体が免疫によってどのように守られているのか、数多くある免疫細胞がそれぞれどのような働きをしているのかについて解説します。

病原体や癌から体を守る

免疫とは、自己(自分のもの)と非自己(自分でないもの)を判別して、非自己を排除する防御システムです。

自己でないものには、病原体である細菌やウイルスと、自己の変異細胞であるがん細胞などがあります。免疫は常に全身を監視し、非自己であるものが発生した場合に、それらを非自己として認識し、体に悪さをしないように排除します。

風邪を引くと熱や咳、鼻水などが出るのは免疫機能が働いているおかげです。体温を上げて熱に弱い病原体をやっつけ、咳や鼻水によって異物を外に出そうとします。また、健康な人でも1日に5,000個ものがん細胞ができるといわれています。NK(ナチュラルキラー)細胞を代表とする免疫細胞たちは、日々新たに発生するがん細胞を発見して排除しています。

免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があるのをご存知でしょうか。人間は自然免疫と獲得免疫によって自身の体を病原体から守っています。

2つの免疫のしくみ

免役は、2つの種類にわけることができます。

ひとつめが、自然免疫です。体に侵入した病原体をいち早く見つけて排除する働きで、免疫機能の最前線で私たちの体を守ってくれます。

ふたつめが、獲得免疫です。侵入してきた病原体に合わせた武器となる「抗体」を作って、ねらいを定めて強力に攻撃します。武器となる抗体をつくるのには時間がかかりますが、次に同じ病原体が侵入した時には、その情報を記憶しているので、素早く抗体をつくって攻撃します。

自然免疫

自然免疫とは、もともと人間の体に備わっている免疫のことです。

自己の細胞なのか、非自己の細胞かを区別し、非自己のものだと認識した場合はマクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞などが速やかに排除しようと働きます。非自己を発見して速やかに働く、生まれつき備わった免疫機能です。

獲得免疫

獲得免疫とは、生まれながらにもっている免疫ではなく、後から獲得する免疫の仕組みです。

B細胞、ヘルパーT細胞やキラーT細胞の働きにより感染した病原体を記憶しておき、再び同じ病原体と遭遇したときに効率よく排除しようとします。

獲得免疫は反応するまでに時間がかかりますが、病原体の種類に応じた戦い方をすることが可能です。一度感染した病原体にはかからなくなったり、感染しても軽症で済んだりするのは獲得免疫の働きによります。

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