免疫はどうやって体を守るの?
こんにちは。今回は「免疫が、がん、感染症、生活習慣病と戦う仕組み」についてお話しします。
免疫は、体を守るために24時間働き続ける頼れる存在です。その力がどのように発揮されるのか、一緒に見ていきましょう。
免疫とがん細胞の戦い
私たちの体では、毎日たくさんの細胞が分裂していますが、その中には、遺伝子のエラーによって異常な「がん細胞」が生まれることがあります。こうした細胞が病気に進行する前に排除されるのは、免疫のおかげです。
以前、お伝えたように、がん、感染症のどちらに対しても、自然免疫と獲得免疫の2つが働きます。
特に活躍するのが、自然免疫の「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」、獲得免疫の「キラーT細胞」です。
【自然免疫】NK細胞は、体内をパトロールし、がん細胞のような異常な細胞を見つけるとすぐに攻撃します。この働きが、がんの初期段階で重要な役割を果たします。
★自然免疫が、獲得免疫に応援を頼む。
【獲得免疫】キラーT細胞は、がん細胞の特徴を認識し、ピンポイントで攻撃を仕掛けます。この正確な攻撃力が、がん細胞の排除に大きく貢献します。
免疫が弱まると、こうした細胞の働きが鈍り、がん細胞が見逃されてしまうことがあります。そのため、免疫の力を維持することが健康の鍵となります。
感染症との戦い
ウイルスや細菌による感染症も、免疫が戦う大切な場面です。
自然免疫では、マクロファージやNK細胞が侵入者を見つけ、感染が広がる前に対応します。
★自然免疫が獲得免疫に、応援を頼む。
獲得免疫では、T細胞やB細胞が活躍し、抗体を作ることで感染症を効果的に撃退します。
このようにして、風邪やインフルエンザなどの感染症から回復します。免疫の働きが正常であれば、感染症にかかっても早く治ることが期待できます。
生活習慣病の予防に働く免疫の力
免疫は、生活習慣病の予防にも大きな役割を果たしています。
たとえば、糖尿病や動脈硬化といった病気に対し、次のように働きます。
【血管を守るマクロファージ】
マクロファージは血管内の異物を掃除し、血管の健康を保ちます。この働きが正常であれば、動脈硬化の進行を抑えられる可能性があります。
【慢性炎症を抑える免疫細胞】
糖尿病のリスクとなる慢性炎症も、免疫細胞が働くことで抑えられます。特に、適切に働くT細胞は、インスリンの効き目をサポートし、糖尿病予防に役立ちます。
【肥満に関連する炎症を抑制】
免疫細胞は、脂肪細胞の増加によって起こる炎症も抑える役割を果たしています。この働きが、肥満に伴う病気の進行を防ぐ助けとなります。
免疫が正常に働いていることは、生活習慣病の予防にも直結します。
免疫力を高め、適切に保つことの大切さ
免疫力が高く、適切な状態に保たれていると、病気の予防や感染症への抵抗力がアップします。また、免疫の働きが正常に維持されることで、過剰な反応を抑え、アレルギーや自己免疫疾患といったリスクを軽減することができます。