免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」がある!
こんにちは。今回のテーマは「免疫のしくみ」です。免疫には、大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」という2つの力があります。
この2つは、それぞれ得意なことが違いながらも、協力して体を守っています。さっそく見ていきましょう!
まずは素早く対応する「自然免疫」
自然免疫は、体にウイルスや細菌が入ってきたときに、最初に駆けつける免疫です。
この免疫は、生まれつき備わっているもので、特別な準備なしにすぐに反応してくれます。
例えば、次のような免疫細胞が働きます。
マクロファージ:体の中をパトロールして、敵(ウイルスや細菌)を見つけたら、すぐに食べて処理します。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞):感染した細胞やがん細胞を見つけたら、すぐに攻撃します。
自然免疫の強みは「スピード」です。敵をいち早く察知し、広がるのを防いでくれます。
学んで強くなる「獲得免疫」
一方、獲得免疫は「学んでから戦う免疫」です。
自然免疫が敵を食い止めている間に、獲得免疫はじっくり準備をします。
ここで活躍するのが、次の免疫細胞です。
T細胞:免疫チームのリーダーで、敵の特徴を分析して作戦を立てます。
B細胞:敵にぴったり合う「抗体」というミサイルのような武器を作り出し、敵の動きを封じます。
獲得免疫は、一度学んだ敵に対してはとても強くなります。例えば、同じ風邪のウイルスに2回目以降かかりにくくなるのは、この力のおかげです。
自然免疫と獲得免疫のチームワークが大切
自然免疫と獲得免疫は、それぞれの役割を分担しながら連携して働きます。
例えば、風邪をひいたときの流れを見てみましょう。
【自然免疫がスタート!】
マクロファージやNK細胞が、風邪の原因となるウイルスを見つけて対処します。
同時に、「もっと強力な助けが必要だ!」と獲得免疫に応援を頼みます。
【獲得免疫が準備開始!】
自然免疫から「助けて!」と声をかけられたT細胞は、ウイルスの特徴を調べて、「このウイルスに効く抗体を作って!」とB細胞に命令します。B細胞はウイルスにぴったり合う抗体を作り始めます。
【敵を撃退!】
自然免疫と獲得免疫が力を合わせて、ウイルスと、感染した細胞を、食べたり、抗体で攻撃してやっつけます。
がんの場合も、同じしくみで対処しています。
このように、免疫細胞たちが役割を分担しながら働いているおかげで、私たちは病気を防ぐことができるのです。