高血糖モデル

カイコが教えてくれる?ちょっと不思議な研究の世界

「カイコ」と聞くと、絹をつくる昆虫というイメージが強いですよね。でも今、カイコは人間の健康を守る研究でも大活躍しています。

私たちの研究チームでは、「高血糖モデルカイコ」という特別なカイコを使って、血糖値をコントロールする食材のパワーを探っています。

そもそも高血糖って?

血糖値が高い状態が続くと、糖尿病や動脈硬化といった病気につながることがあります。でも、ちょっとした食生活の工夫で予防できる場合も多いんです。
特に注目されているのが、野菜や果物に含まれる「機能性成分」。私たちは、それらが本当に血糖値に良い影響を与えるかを、カイコを使って確かめようとしています。

なぜカイコ?マウスじゃないの?

動物実験といえばマウスを思い浮かべるかもしれません。でも、実はカイコの腸は人間やマウスと似たような吸収の仕組みを持っているんです!

さらに、カイコを使うことで、小さな研究チームでも実験が可能になり、短時間で結果がわかる、というメリットがあります。

これは、環境にも優しく、世界的にも求められている研究スタイルなんです。

実験はどうやって行われるの?

まず、カイコに甘いエサ(グルコース入り)を与えて、体液中の血糖値を上げた「高血糖モデルカイコ」をつくります。

過剰なグルコースを含むエサをカイコに与えると、体液中の糖濃度が上昇し、腎臓に相当する臓器で糖の含量が通常より高くなります。この「高血糖状態」が続くと、カイコの体にも影響が現れます。ヒトでいうところの「糖尿病の合併症」の発症です。


このカイコたちに、私たちが独自の方法で抽出した野菜や果物のエキス
を投与します。

結果として、体液中の血糖値が下がるかどうかをチェック!

効果が見られたら、最終的にヒトへと、ステップを進めていきます。