簡単、らくらく!免疫アップ方法 ★パート2「よく笑う人は病知らず-作り笑いでも効果あり!?」

 皆さんこんにちは。順天堂大学医学部免疫学講座の奥村です。

 前回に続き、今回も、笑いと免疫の関係についてお話しします。

 笑うと免疫力がアップすることは「笑うと健康になれることは分かったけど、面白いことなんてそうそうないよ」という皆さん!実は、作り笑いでも効果があるんですよ。面白いから笑うだけでなく、笑うから面白くなる、ということもあるんです。ウソだと思わずぜひ実践してみてください。

笑うと免疫力がアップする理由

 前回、笑うことで免疫力がアップすることをお話ししました。ではそもそも、なぜ笑うと免疫力がアップするのでしょうか。

 実は、そのメカニズムはまだ十分に解明されていないのですが、分かっている範囲でお話しすると、笑うことで心身ともにリラックスして副交感神経が優位になり、リンパ球が活性化するということが考えられます。

 NK(ナチュラルキラー)細胞も、リンパ球の一種でしたね。

 笑うことは、脳から、β(ベータ)エンドルフィンやセロトニンといった脳内ホルモンも分泌させます。これらのホルモンは、ストレスを受けた時に分泌するアドレナリン系のホルモンを抑える働きがあり、副交感神経が優位になります。このような理由で、笑うとNK活性が上昇するのではないかと言われています。

作り笑いで免疫力アップ!!

 笑いのネタはなんでも構いません。マンガ本を読む、お笑い番組を見る、落語を聞く…ゲラゲラと声を出して大笑いするほど効果的ですが、クスッと笑うことでも効果はあります。

 「なかなか笑えない」という方も心配要りませんよ。

 笑うマネ、作り笑いでも免疫力を上げられるのです。

 壁に向かって2時間笑顔を続けたところ、NK活性が上がったという報告もあります。笑顔をつくることで、その筋肉の動きが脳を刺激し、脳から「今、楽しいぞ」という情報が全身に流れるのです。

 笑顔を習慣づけておけば、免疫力にも良い影響が及ぶに違いありません。それだけでなく、人間付き合いもスムーズになり、ストレスも少なくなります。

 毎日笑って過ごしたいものですね。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
どうかお身体を大切に、毎日を笑顔でお過ごしください。皆様の健康をお祈り申し上げます。
奥村 康

著者情報
奥村 康 先生
順天堂大学医学部特任教授

1942年生まれ。千葉大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。スタンフォード大学医学部留学、東京大学医学部講師、順天堂大学医学部免疫講座教授、順天堂大学医学部長を経て、現在は同大学医学部特任教授(免疫学講座)・アトピー疾患研究センター長。ベルツ賞、高松宮賞、日本医師会医学賞などを受賞。サプレッサーT細胞の発見者。臓器移植後の拒絶反応を抑える新手法を開発するなど、免疫学の国際的権威。