インフルエンザの感染者数のピークアウト(感染者が頂点に達して減少に転じること)が報じられる中、次なる感染症への関心が高まっています。

特に、中国をはじめとする一部の地域で「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)」が猛威を振るっているという報告が増えています。このウイルスは、主に幼児や高齢者に重症化のリスクをもたらし、流行のたびに医療現場を悩ませてきました。冬から春にかけて流行することが多いhMPVは、インフルエンザやコロナと症状が似ているため見逃されがちですが、正確な知識と予防策を持つことが重要です。
今回は、ヒトメタニューモウイルスの特徴や症状、感染状況、そして予防策について詳しく解説します。
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)とは?
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、2001年にオランダで発見された呼吸器ウイルスで、特に幼児や高齢者において呼吸器感染症を引き起こします。感染力が強く、5歳までにほとんどの子どもが一度は感染するとされています。
主な症状
- 軽症の場合:咳、鼻水、鼻づまり、微熱。
- 重症化の場合:高熱、喘鳴(ゼーゼーという呼吸音)、気管支炎、肺炎。
免疫力が低下している人では重症化しやすく、特に基礎疾患のある高齢者や乳幼児は注意が必要です。一般的な風邪と見分けにくいことが多いため、適切な診断が重要です。
感染状況
世界では冬から春にかけてhMPVの流行が見られます。
特に、2024年11月から中国での感染者数が急増し、現地では陽性率がインフルエンザに次いで2番目に高いと報告されています。これにより、医療機関への負担が増加しているとのことです。
日本においてもhMPVの流行は毎年観測されていますが、現時点での具体的な最新データは公開されていません。ただし、厚生労働省や各自治体の保健所がシーズンごとの感染状況を定期的に発表しているため、情報を確認することが推奨されます。
予防のポイント
hMPVには現在、特効薬やワクチンがありません。そのため、日常的な予防策が最も有効とされています。
- 手洗いの徹底
石鹸と流水で、特に外出後や食事前後に手を洗うことが重要です。 - 咳エチケットの実践
咳やくしゃみをする際には、ティッシュや肘で口と鼻を覆いましょう。 - マスクの着用
特に人混みや医療機関を訪れる際にはマスクを着用することで感染リスクを下げられます。 - 定期的な消毒
ドアノブやおもちゃ、スマートフォンなど、よく触れる物を消毒することも有効です。 - 免疫力の向上
十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事、適度な運動を心がけましょう。
特に小児や高齢者、基礎疾患のある方は重症化リスクが高いため、これらの予防策を徹底することが重要です。
まとめ
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は幼児や高齢者に重症化のリスクがある呼吸器ウイルスです。中国をはじめ世界で感染が広がっており、日本でも注意が必要な時期です。手洗い、マスク着用、消毒などの基本的な予防策を徹底し、免疫力を高める生活を心がけましょう。
最新情報は公的機関や医療機関の発表を随時確認し、適切な対策を取ることで安心して過ごせる環境を作りましょう。