「なんか、お腹周りがかゆい…」
「下着のゴム跡、赤くなってヒリヒリする…」
そんな経験、ありませんか?これ、単なる肌荒れじゃなく、科学的にちゃんとした理由があったんです。
締め付けると、なぜじんましんが出るのか?
最近の研究で、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)が圧力に反応して、ヒスタミンを放出することが明らかになりました。ヒスタミンといえば、花粉症やアレルギーでおなじみの「かゆみ」「赤み」の原因となる物質です。つまり、ベルトや下着のゴムで皮膚がギュッと押されると、局所的にアレルギー反応が起こるというわけです。
この「圧迫によるじんましん(皮膚描記症)」は、特に 長時間座っている人、きつめの服をよく着る人 に多く見られます。最近では、長時間のデスクワークやリモートワークで、ウエスト周りの締め付けが強いズボンや下着を履いている人が増えているため、「なんか最近かゆい」と感じる人が増えているかもしれません。
服のサイズ選び、間違っていませんか?
実は、「ちょっときついけど、履けるからOK」という服選びをしている人ほど、この問題に悩まされる傾向があります。締め付けが強いと血流も悪くなり、肌のバリア機能が低下しやすくなるため、かゆみが出やすくなるのです。
特に気をつけたいのが、
- ベルトをきつく締める習慣がある人
- ウエストゴムが強い下着やズボンを履く人
- スポーツ用のサポートタイツや補正下着を長時間つけている人
じんましんが出やすい人は、少しゆとりのある服を選ぶだけで、症状が軽くなる可能性がある ので、これを機にサイズ感を見直してみるのもいいかもしれません。
「圧迫じんましん」を防ぐための対策
- 締め付けの少ない服を選ぶ
→ ちょっとゆるめのウエストゴム、調整可能なベルトを選ぶ - 長時間座るときは、こまめに体勢を変える
→ 長時間同じ姿勢だと圧迫が続くので、30分に一度立ち上がる - 肌を保湿してバリア機能を維持する
→ 乾燥すると刺激に弱くなるので、保湿クリームを活用 - かゆみが強いときは冷やす&抗ヒスタミン薬を使う
→ 冷やすことで炎症を鎮め、症状がひどいときは医師に相談
出典:IL-33 sensitizes mast cells to Piezo1 stimulation leading to degranulation, Allergy. 79,12: 3517-3520 (2024)
研究者のつぶやき:「ちょっとくらいキツくても平気」はもう古い!
服の締め付けなんて気にしたことがない?それ、今まではそうだったかもしれません。でも、最近の研究が「意外と体に負担をかけている」ことを教えてくれています。
「おしゃれは我慢」と言われますが、免疫と健康を考えたら、少しゆるめがベスト かもしれませんね。あなたのそのズボン、今日からちょっとだけ緩めてみませんか?