その「疲れ」、年のせいにしていませんか?──体力の低下と免疫の深い関係
こんにちは。
最近、こんなことありませんか?
- 朝からなんとなくダルい
- 風邪をひきやすくなった気がする
- ちょっとした坂道や階段で息が切れる
「年だから仕方ない」と思っているかもしれません。
でも、その疲れには“体の中の免疫の力”が関係していること、ご存じでしょうか?
疲れが抜けないのは「免疫」が弱っているサインかも
国の調査によると、40代以上の人の約3人に2人が「よく疲れる」と感じているそうです【※1】。
特に50代・60代になると、「昔より体が回復しにくい」と感じる人が増えています。
その原因のひとつが、免疫力の低下です。
免疫とは、体を守る“見えないバリア”のようなもの。
風邪やウイルスから体を守るだけでなく、体の中で毎日生まれる「がんの芽」などを処理してくれている、とても大切な力なんです。
科学でもわかってきた「疲れと免疫のつながり」
東京大学の研究では、いつも疲れている人ほど、体の中の「免疫細胞」が元気を失っていることがわかっています【※3】。
また、アメリカの大きな病院の研究でも、疲れやすい人は、体の“警備員”のような免疫細胞が働きにくくなっているという結果が出ています【※4】。
つまり、「最近疲れやすいな」と思ったとき、それはただの体力不足ではなく、体の中の防御力が落ちているサインかもしれないのです。
筋肉が減ると免疫も弱くなる?
年齢を重ねると、どうしても筋肉は減ってしまいます。
じつはこの筋肉、動くだけではなく、免疫の働きを支える大切な役割もあるんです。
筋肉からは「ミオカイン」という、免疫を元気にする物質が出ていて、体の中のバランスを整えるお手伝いをしています【※5】。
だから、体力が落ちると免疫も落ちやすくなる。
これは「年だから仕方ない」では済まされない、大切なサインです。
今からできる3つの“免疫生活”
「じゃあ、どうすればいいの?」
ご安心ください。無理なく続けられる習慣があります。
① 毎日30分の散歩
外に出て歩くだけでも、筋肉と免疫は元気になります。朝か夕方がおすすめ。
② しっかり食べる(特にたんぱく質と野菜)
卵・豆腐・魚・納豆、そして緑の野菜。体を守る材料になります。
③ 夜はぐっすり7時間
寝ている間に、免疫は一番よく働きます。寝る前のスマホは控えめに。
疲れやすさは、体からのSOS
「ちょっと疲れやすいな」
その声に耳をすませてみてください。
免疫の力は、何歳からでも支えることができます。
元気な毎日を過ごすために、
まずは今の自分の“疲れ”と向き合ってみましょう。
【参考文献】
- ※1:国立健康・栄養研究所「健康意識に関する全国調査」(2023)
- ※3:東京大学医科学研究所「慢性疲労と免疫」研究報告(2020)
- ※4:NIH “Chronic Fatigue and Immune Function” (2022)
- ※5:Pedersen BK. “Myokines and Immunity” Nature Reviews Immunology(2019)
📝この記事のまとめ
- 疲れやすさは、免疫が弱っているサインかも
- 筋肉と免疫はつながっている
- 毎日の散歩・食事・睡眠が、免疫の元気を取り戻すカギ!