免疫力低下の原因

なぜ免疫は低下してしまうのでしょうか?

 免疫は私たちの健康を守る大切な仕組みです。特に、病原体やがん細胞を素早く見つけて排除する自然免疫は、体の第一防衛ラインとして重要です。

 しかし、現代の生活環境や日々の習慣によって、免疫、特に自然免疫が低下してしまうことがあります。その理由をご説明します。

1. ストレスが免疫を弱める

 ストレスを感じ続けると、自然免疫の代表であるNK(ナチュラルキラー)細胞の働きが低下します。NK細胞はがん細胞や感染した細胞を攻撃する力を持っていますが、ストレスが強いとその力が弱まり、体の防御力が落ちてしまいます。

2. 運動不足が免疫力を低下させる

 体を動かすことは、免疫細胞の活性化に欠かせません。運動不足が続くと、自然免疫の働きが鈍り、病原体への初期対応が遅れる可能性があります。日常的に軽い運動をするだけでも免疫力を高める助けになります。

3. 冷えによる免疫低下

 「冷えは万病の元」といわれています。体が冷えると血流が悪くなり、免疫細胞が体内をスムーズに巡れなくなります。また、冷えは自然免疫に関わる細胞の活動を低下させるため、病原体に立ち向かう力が弱まります。

4. 睡眠不足が免疫に与える影響

 十分な睡眠は、免疫細胞がしっかり働くために必要です。睡眠が不足すると、自然免疫や獲得免疫の両方に悪影響を及ぼし、体が病気にかかりやすくなります。

5. 栄養バランスの乱れが免疫を低下させる

 偏った食事や栄養不足は、免疫細胞を支える力を弱めます。特に腸内環境が悪化すると、免疫の約7割を担う腸の免疫細胞が十分に働けなくなり、体全体の免疫力が低下します。

6. 加齢による自然免疫の衰え

 人は年を取ると誰しも必ず免疫機能が少しずつ低下していきます。免疫機能に関わっているT細胞が作られている胸腺は、加齢とともに萎縮してしまうことがわかっているのです。萎縮した結果、T細胞の数が減るため免疫機能は低下します。

しっかり備える

 自然免疫は、私たちが病気にならないための最前線で体を守る防衛ラインです。この防衛ラインをしっかりと強化することで、毎日を健康的に過ごす力が生まれます。

 ストレスをためない工夫をする、適度な運動を心がける、体を冷やさないようにする、栄養バランスの良い食事をとる、質の良い睡眠を確保する。こうした日常の小さな習慣に加えて、自然免疫をサポートするものを生活に上手に取り入れることで、より効率的に免疫力を高めることが期待できます。あなたの健康を守る新しい選択を、今日から始めてみませんか?