「風邪が治ったと思ったのに…」が命取りに

肺炎になる人に共通する“意外な落とし穴”
◆高齢者の肺炎は、命にかかわる病気です
「風邪は治ったと思っていたのに、数日後にまた熱が出た…」
「ちょっと動いただけで息が切れる…」それ、肺炎が静かに進行していたサインかもしれません。
特に高齢になると、肺炎は重症化しやすく、日本では75歳以上の死因の上位にあがっています。
でも、同じように年を重ねても肺炎にならない人もいます。
その違いは、「たまたま」ではありません。
◆肺炎になる人・ならない人、その差はどこに?
最近の医療では、肺炎にかかる人・かからない人のちがいが、次のように分かれているとわかってきました。
❌ 肺炎になりやすい人の特徴
- 口の中が乾いている
- 食べる力・飲みこむ力が弱っている
- 人と話す機会が少ない
- 冬場にのどの乾燥を感じやすい
- 風邪が長引きやすい
⭕ 肺炎になりにくい人の特徴
- よくしゃべる、笑う
- 食事をゆっくりよく噛む
- 湿度と水分をしっかりとっている
- 舌やのどの筋肉が元気
- 食後にうがいや口のケアをしている
◆ 実は「免疫力」も深く関わっている
肺炎の主な原因は「細菌やウイルス」ですが、それを排除するのが体の中にある“免疫細胞”の働きです。
高齢になると、この免疫の力が少しずつ弱まり、気づかないうちに肺まで細菌が入り込んでしまうケースが増えてきます。
特に「のど・口・肺の入り口」は、免疫の最前線。
ここを守る生活習慣こそが、肺炎予防のカギになるのです。
✅ 肺炎を防ぐために、今日からできる3つのこと
🟡 ① のどと肺を「乾燥」から守る
乾燥したのどは、細菌やウイルスがとどまりやすい状態です。
湿度と水分をしっかり保つことで、免疫が働きやすい環境になります。
💧今日からできること
- 濡れタオルや加湿器で部屋の湿度を保つ
- お茶やスープをこまめに飲む
- 寝る前や外出後に「うがい+口の清潔」を習慣にする
🟠 ② 食べる力・飲みこむ力を保つ
加齢とともに衰えやすい「嚥下機能(飲みこむ力)」。
これが低下すると、食べものや唾液が気管に入り、誤嚥性肺炎の原因になります。
👄 今日からできること
- よく噛む(1口30回を意識)
- 朝に「舌まわし体操」をする
- 食事中は背筋を伸ばし、ゆっくり食べる
🔵 ③ 声を出す・笑う時間を意識的に作る
会話や笑いは、口・のど・肺の筋肉を刺激して、免疫細胞の活動も活発にします。
これは「自然な肺炎予防体操」ともいえる大切な時間です。
🗣️ 今日からできること
- 毎朝「アイウエオ体操」で口を動かす
- 笑えるテレビやラジオを観る・聴く
- 家族や友人と、1日3分でも話す時間をとる
🧭 まとめ:肺炎は「のど・口・肺」を守ることで防げる
肺炎は、高齢者にとってとても深刻な病気です。
ですが、難しい医療を受けなくても、のどや口、食べ方や会話のしかたを少し工夫するだけで、防ぐことができます。
そしてそれを支えるのが、「免疫力」という体の防衛本能。
🔔 今日からできる3つの肺炎予防習慣
- のどと部屋を乾燥から守る
- 飲みこむ力・噛む力を大切にする
- 声を出し、笑う時間を意識的につくる