がんという病気は、多くの人にとって大きな不安の種です。
がんという病気を聞くと、「ある日突然できるもの」と思うかもしれません。でも、実は健康な人の体内でも毎日、がん細胞の芽が生まれていることをご存じでしょうか?
では、なぜすぐにがんにならないのでしょうか? それは、免疫ががん細胞を見つけて、こっそり排除してくれているからです。
でも、もし免疫の力が弱まってしまったらどうなるでしょう? 今回は、がんと免疫の関係について、できるだけ分かりやすく説明していきます。
がんはどうやってできるの?
私たちの体は、37兆個以上の細胞 でできています。これらの細胞は、毎日新しく生まれ変わりながら、体の働きを支えています。

でも、新しい細胞が生まれるときに、たまにコピーのミスが起こる ことがあります。細胞の設計図(DNA)に間違いができてしまうのです。
ほとんどの場合、このミスは自動的に修正されるので問題ありません。でも、修正できなかった細胞の中には、がん細胞に変わるもの もあります。
つまり、がん細胞は 「突然外からやってくる敵」ではなく、「自分の細胞が異常に変化したもの」 なのです。
免疫はがん細胞をどうやって防いでいる?
がん細胞が生まれたとき、それを見つけて処理してくれるのが 免疫の働き です。特に、NK細胞(ナチュラルキラー細胞) という免疫細胞が、がん細胞の監視役をしています。

NK細胞の働きを簡単に説明すると、こんな感じです。
- がん細胞を見つける
- NK細胞は、体の中をパトロールしながら、「普通の細胞」と「おかしな細胞(がん細胞)」を見分けています。
- がん細胞を攻撃する
- 異常を見つけると、NK細胞は がん細胞の膜に穴を開ける物質 を出して、攻撃します。
- がん細胞を排除する
- 最終的にがん細胞は壊され、体の外に排出されます。
このように、免疫は がん細胞が増えてしまう前に処理する ことで、私たちの体を守ってくれているのです。
免疫が弱まるとどうなる?
私たちの体には、毎日のようにがん細胞が生まれています。でも、健康な人はそれを 免疫がきちんと処理 してくれているので、がんにはなりません。
しかし、何らかの理由で免疫の力が弱まると、がん細胞を見逃してしまう ことがあります。見逃されたがん細胞はどんどん増えてしまい、気づいたときには大きな腫瘍になっていることも…。
免疫が低下する主な原因には、次のようなものがあります。
- 加齢(年をとると免疫細胞の働きが弱まる)
- ストレス(ストレスが続くと、免疫機能が落ちる)
- 睡眠不足(体の回復が追いつかず、免疫の力が下がる)
- 運動不足(血流が悪くなると、免疫細胞の動きも鈍くなる)
- 生活習慣の乱れ(不健康な食事や喫煙・飲酒の影響)
つまり、免疫がしっかり働いていれば、がん細胞は増えにくい のですが、免疫が弱るとがん細胞が増えてしまうリスクが高まるのです。
がんのリスクには免疫が関わる
がんのリスクは 「発生」 だけでなく、「再発」「転移」「進行」 などの場面でも関わってきます。
- がんの発生を防ぐ
- 免疫の力が強いと、がん細胞ができてもすぐに排除され、大きくなる前に消える可能性が高くなります。
- がんの再発を防ぐ
- 一度治療を受けた後も、体内にがん細胞が残っている場合があります。免疫がしっかり働いていれば、それらの細胞を抑え込み、再発のリスクを減らすことができます。
- がんの転移を防ぐ
- がん細胞は血液やリンパを通じて別の場所に移動し、新しい腫瘍を作ることがあります。免疫が強ければ、こうした「転移しようとするがん細胞」を素早く攻撃し、広がるのを防ぐことができます。
- がんの進行を抑える
- 進行がんでも、免疫の力が強いとがん細胞の増殖を抑えることができます。最近の研究では、がんの治療中でも免疫がしっかり働いていると、治療の効果が上がることがわかっています。
がんは「発生」したら終わりではなく、免疫の力があるかどうかで、その後の経過が大きく変わる 病気です。
「がんを予防することも大事だけれど、もしなってしまったときも、免疫がしっかり働いていれば、再発や転移のリスクを減らせるんだ」