自然免疫に重要な細胞たちを活性化!
ブロッコリー抽出エキスには、ウイルス感染細胞やがん細胞を排除する『NK(ナチュラルキラー)細胞』と、初期の感染防御において病原体を排除する『好中球』を活性化する効果があることがわかりました。
試験方法
20歳以上の健常な男女20名にブロッコリー抽出物を含む食品を4週間摂取していただきました。そして、摂取前と摂取後で、NK細胞や好中球の活性等の指標を比較しました。
結果
効果① NK細胞を活性化!
細胞ができた瞬間から外敵を殺す能力をもっているため、「生まれつきの殺し屋」という意味でNK(ナチュラルキラー)細胞と呼ばれています。NK細胞は自然免疫で活躍します。他の細胞の指示がなくても、全身をパトロールし、ウイルス感染細胞やがん細胞を認識して破壊します。
ブロッコリー抽出エキスの摂取によって、NK細胞の活性が上昇する傾向がみられました。

効果② 好中球を活性化!
好中球は、体内に侵入した病原体(ウイルスや細菌)を排除する細胞です。白血球の一種である好中球は、白血球全体の半分以上を占め、強力な貪食能力(異物を食べる能力)を持っています。感染防御にとても重要な免疫細胞で、感染初期に患部に集まって病原体の増殖を食い止めます。
ブロッコリー抽出エキスの摂取によって、好中球の活性が上昇する傾向がみられました。

血中のサイトカイカイン量の測定(追加試験)
臨床試験の結果から、ブロッコリー抽出エキスの免疫活性化のメカニズムとして、次のような仮説が考えられました。
- ブロッコリー抽出エキスがマクロファージを活性化して、IL-12 (インターロイキン12) とよばれるサイトカインが分泌される。
- このIL-12 によって活性化されたNK 細胞が、今度はIFN-γ (インターフェロンガンマ ) とよばれるサイトカインを分泌しえ、マクロファージを活性化する。

つまり、『ブロッコリー抽出エキスによって活性化されたマクロファージが、NK細胞を活性化して、活性化したNK細胞が今度はマクロファージを活性化する』という循環的な反応が起こり、免疫が強化されているのではないか、ということです。
IL-12もIFN-γも増加していた!
そこで、NK細胞の活性が上昇していた被験者の血液を用いて、IL-12とIFN-γの量を測定しました。

どちらのサイトカインも増加しており、仮説が支持されることとなりました。
次の展開
さらに確証を得るために、マウスのマクロファージやヒトのNK 細胞の培養細胞を使って、試験を行いました。